Amazonの「お坊さん便」にまつわる話題をまとめてみた

昨年(2015年)の12月8日、アマゾン上で、「お坊さん便 法事法要手配チケット」なる商品が販売開始され話題を呼んだ。

お坊さんの手配がAmazonから出来て、しかも料金も全国一律3万5千円(プラス2万円での戒名オプション有。クレジットカード決済も可)ということで注目されたわけだが、実はこの「お坊さん便」はAmazonから注文できるようになったのがこのタイミングだったというだけで、もともと別の場所ではサービスとして提供されていたものである。

運営元は株式会社みんれび。「お坊さん便」(同様のサービスを2013年5月から自社サイトで提供)のほかにも「シンプルなお葬式」など、ネットを介しての葬祭仲介業で、それなりに名前が売れている会社である。

商品の内容が内容だっただけに、Amazonで注文できることで話題になったのだ。

これに対し、12月24日に、全国の寺院が加盟し仏教59宗派からなる公益財団法人の「全日本仏教会」(全仏)の理事長斎藤明聖(あきさと)氏の名でホームページ上に談話を発表。「お布施はサービスの対価ではなく、戒名は商品でない」「およそ諸外国の宗教事情をみても、このようなことを許している国はない」とした上で「宗教に対する姿勢に疑問と失望を禁じ得ない。しっかりと対応したい」と表明。

この全仏の異議により、さらに注目度が高まったといっても過言ではない。
全仏のもとにも、非常に多数の批判が寄せられたという。

Amazonでの提供開始後、利用者からの問い合わせは約2割増え、2016年は1万2000件を見込んでいるという。(参照:仏教会騒然のアマゾン「お坊さん便」-日経ビジネスオンライン

同サービスに、僧侶は2015年12月の時点で400人が登録していたが、アマゾンでの出品後に150人ほどから問い合わせがあり、現在は約450人が登録。登録待ちの僧侶も100人ほどいるとのこと(2016年2月時点)。

全仏は、2016年3月4日付の文書で、(運営元のみんれびに対してではなく)アマゾンジャパンと米アマゾン本社に「宗教行為を商品にするのは疑問」「お布施を定額表示することに反対」として販売中止を求めた。

当然アマゾンがこのような反対にあっさりと折れるはずもなく、4月18日の朝日新聞の報道によると、アマゾンジャパンのジャスパー・チャン社長名で「(利用者の)判断の参考になる情報は可能な限り提供したい」などと回答し、事実上販売中止はしない意向を示したと捉えられている。

 
ところで、『Amazonの「お坊さん便」について多くの人が誤解していること。賛成派と反対派のお坊さんがいるのはなぜ? | 日刊SPA』の記事で、自分も勘違いをしていたことに気づいたのが、「お坊さん便」では、お通夜やお葬式にお坊さんを呼ぶことはできないという点。

なぜなら、手続きに時間がかかるので、緊急性のあるお通夜やお葬式には間に合わず、お葬式が終わった後で行われる法事での読経にしか対応していない

さらにもう一点。

法事のお布施(お坊さんに渡す御礼)の料金も3万5000円~と、特別安くはなく、むしろお布施の相場の安い地方在住者にとっては割高と感じるくらい

そもそも相場がわかっていないと、35,000円は安いと決めてかかっていたが、必ずしもそうではないと。
とはいえ、このサービスの利用者は、都心部に多そうなイメージではあるが。

また、よく言われていることでもあり、この記事にもその趣旨の記述があったが、お坊さんと一口に言っても、富めるお坊さんと、そうでないお坊さんの二種類あり、その二極化が進んでいるのも、このサービスが登場した背景にあるだろう。

上で紹介した日経ビジネスの記事によると

浄土真宗本願寺派が2009年に実施した調査では、村落にある寺院の60%以上が年収300万円以下だ。他宗でも似たり寄ったりの状況

だという。お坊さんも楽ではないのだ。