クローズアップ現代の「あなたの遺骨はどこへ ~広がる”0葬”の衝撃~」の放送を見て

kurogen

放送されたのはもう先月(2016年9月21日)になるが、録画したままだったNHKのクローズアップ現代+「あなたの遺骨はどこへ ~広がる”0葬”の衝撃~」をようやく見ることができた。

ここ数ヶ月、お墓やお葬式に関するネタは、インターネットや雑誌でもチェックするようにしてきて、おおよそ現在の業界のトレンドはわかったような気になっていた。
しかし、この放送を見て、まだまだ自分の知らない事が起こっていることが知れたし、何よりもNHKの取材の力を思い知った。

さすがです、NHKさん。

家族や親族が葬儀をせず、遺骨を引き取らず、(となると結果的に当然)お墓も作らない、ということを0葬と呼ぶ。
この事はもちろん知っていた。
一部の宗教界の人にも確か、お墓や葬式にこだわらず、0葬をすることを勧めていた方がいた記憶がある。

しかし、クロ現の話は、そこからさらに踏み込んだ内容。

よくよく考えてみると、葬儀を上げないこと自体は残された者の気持ちの問題だから特に支障はない。
お墓も作らなくてもいいだろう。
問題は火葬の結果残される、遺骨の取り扱いだ。

墓も作らずに、遺骨を誰がひきとってくれるのか。

そもそも、身寄りがない人が亡くなった場合、その遺骨はどうなってしまうのか。
その場合、各自治体が無縁墓地へ埋葬してくれることになっている。
埼玉県さいたま市の数字では、無縁墓地への埋葬件数は2003年に33件だったが、2015年には188件に増加しているとのこと。

家族・親族が遺骨を引き取ったものの、お墓はなく、自宅にも諸事情により置いておけない場合はどうするか。

そこに登場するのがクロ現で紹介されていた「預骨」サービス。
このサービス、本来は”お墓の準備が整うまでの間預かってくれる”サービスであって、永遠に預かってくれるサービスではない。
しかし、預けたまま音信普通になる利用者もいるという。
その場合、合同墓に埋葬されることになる。

続いて、紹介されていたのが、「迎骨」サービスと、「送骨」サービス。。

送骨は、あるお寺で実施しているのがメディアに取り上げられたこともあり、知名度は高い。
遺骨を宅配便で送ると合同墓に埋葬してくれる。料金の相場は3万円。
言っちゃ悪いが、「送骨」というより「骨処分」的な印象を受ける。

一方、「迎骨」はというと、
さすがに宅配便で送る行為に罪悪感を感じる人向けだろうか。
家など、現在遺骨を保管している場所まで遺骨を引き取りに来てもらい、合同墓に埋葬してくれるサービスだ。
クロ現で紹介されていたNPOでは、3万円+交通費で実施しているという。人件費を料金に乗せていないとしたら良心的だが、経営が心配にもなる。
年間で2,000件程度の問い合わせがあるとのこと。

 
そもそも、上のようなサービスをどういう事情の人が使っているのか。クロ現はそこを教えてくれた。

紹介されていた事例では、むかしに離婚した相手の遺骨をひきとってくれるよう自治体から依頼されていた。
本来なら遺骨の引き取りは拒むことはできるだろう。しかし、心情的に断りきれず引き取ってしまう人々。
とはいえ、お墓はないし、家に置いておくのも微妙。という流れでこれらのサービスを利用するのだ。

いずれは、火葬場に迎骨サービスの会社が受け取りに来るようなのが自然になる時代が来るのだろうか。