墓じまいの手順と、代行サービスの登場

uniquest

お墓が不便な場所にあってなかなかお参りに行けないので、自宅の近くの霊園やお寺にお墓を引っ越したかったり、もしくは墓の承継者がいないので永代供養墓や合葬墓に変えたかったりというニーズはここのところ高まる一方で、それを受けて、現在、お墓を移す「墓じまい」は様々な場所で耳にするキーワードとなっています。

墓じまい(墓終い)、すなわちお墓の引っ越しには、具体的にはどのような手続きが必要になってくるかというと、

1.新しいお墓の場所を確保する(これは当たり前ですね!)
2.現在のお墓がある市区町村役場で、改葬許可申請書を取り寄せる(移し先の市区町村ではありません)
3.現在のお墓の管理者に、埋蔵証明書を発行してもらう
4.お墓の移転先の管理者に、受入証明書を発行してもらう
5.3、4の証明書と2の申請書を現在のお墓がある市区町村役場に持参し、改葬許可証を申請する
6.改葬許可証を受領したら、現在のお墓の管理者に改葬許可証を提示し、お墓から魂を抜く「閉眼供養」を行ない、遺骨を取り出す
7.現在のお墓を解体、整地し、墓石も撤去する
8.移転先のお墓の管理者に改葬許可証を提出し、納骨の許可をもらう
9.移転先のお墓に魂を入れる「開眼供養」、ならびに納骨の法要を行う

となっています。
証明書や許可証の取得や閉眼&開眼供養、さらには墓石の撤去と、なかなか大変そうですが、この工程でいちばん問題になる可能性があるのは、3.の「現在のお墓の管理者から埋蔵証明書」を受け取るところなのです。

現在のお墓が公営の霊園であれば何の問題もありませんが、寺院墓地にお墓があり、そのお寺の檀家になっていたりすると、改葬を認めないと言われたり、改葬を認められたとしても法外な離檀料を請求されることがあるのです。

遺骨を盾に法外なお金を請求することから、人質ならぬ「骨質」と呼ばれることもあるそう。

そんな状況を受けて、登場したのが、お墓の引っ越しを代行して進めてくれる「墓じまい代行サービス」だ。
ユニクエスト・オンライン社が今年の10月から提供を予定している本サービスは、お寺などの移転元との離檀の交渉や、行政手続き、墓地の撤去・整地、洗骨、遺骨の配送まで代行してくれる。
離檀料については基本的に払わずに済むように交渉を進めるという。
料金については、1坪以内の墓地であれば全国一律21万円(税込、閉眼供養のお布施は含まない)。
また、永代供養墓や海洋散骨付きのプランを選ぶと、28万円となる。
2016.10.5追記。実際にスタートした内容を見ると料金がやや異なっていた。基本プランが24.9万円、永代供養墓付もしくは海洋散骨付が30.4万円、いずれも税込の金額。

お寺からすると反発もしたくなるだろうが、改葬したい側からすると願ってもいないサービスだ。今後の動向を見守りたい。

なお、代行サービスの中に「洗骨」まで含まれているのが不思議に感じたが、これには理由があった。
古いお墓には土葬の遺骨が納められていることも多いが、移転先の墓所によっては火葬した遺骨のみしか納めることができないところがあり、その場合あらためて土葬した遺骨を火葬する必要が生じる。その際に、遺骨に付着した土や砂を落とさないといけないということで、洗骨が必要になるらしい。

 
【追記】
さらに調べてみたところ、すでに「墓じまい代行サービス」は存在していた。

例えば、まごころ価格ドットコム社の「墓じまいまごころパック」。
行政手続、墓石の解体・整地、粉骨(パウダー化)、永代供養墓や散骨など新しい安置場所の紹介までが代行範囲でが36万8000円(5平米までの価格)。
自宅に遺骨の一部を置く小さな骨壺や納骨家具は含まれるが、菩提寺との交渉は含まず、閉眼供養のお布施も含まない。
実際に見積もりをとってみないとわからないが、ユニクエスト社に比べると、やや割高だろうか。

また、「墓石コネクト」を運営するエフ・コネクト社では、複数の墓石解体業者から無料で墓石の撤去・整地に関して一括見積りをとることができる。

NPO法人やすらか庵でも、墓じまいの相談や代行サービスを提供している。
墓石の撤去・整地には3平方メートルの墓地で約18万円。行政手続きの代行や海上散骨なども、別途料金表が提示されている。

こうやって比較してみると、ユニクエスト社の新サービスは、菩提寺との交渉も含まれていることに最大の意義があるのだろう。